はじめに
女優で歌手であった神田沙也加様(以下、沙也加様とお呼びさせていただきます)が去年(2021年12月18日)に他界されました。
死因は自殺のようです。
また、2020年7月18日、三浦春馬様(以下、春馬様とお呼びさせていただきます)が自殺されたことはまだ記憶に新しいです。
春馬様のことは、これまでアメブロやKindleの電子書籍で詳しく書かせていただきましたが、その後、進化占星術を勉強していくと新しい発見がありましたので、本ブログで再度投稿させていただきます。
さて、沙也加様も春馬様もまだお若く、これからというのに自ら死を選ばれたというのは、ご本人にしかわからない大きな心の葛藤や苦痛、精神的な不安等があったと想像します。
本ブログでは欽天四化紫微斗数と進化占星術でその解明を試みます。
なお、冒頭申し上げたいのは、これまでも自殺された有名人の方をブログや電子書籍で取り上げさせていただいていますが、単なる興味本位ではなく、少しでも自殺予防につながればということと、併せて欽天四化紫微斗数や進化占星術の素晴らしさを知っていただきたいという想いで書いています。
自殺には至らなくても、引きこもりや鬱病などの精神疾患に苦しんでおられる方は少なくありません。
そのような場合、ご本人はもとよりご家族様を含めて大きな苦労を強いられています。
そうした方々にも少しでも役立つことになれば幸いです。
沙也加様の欽天四化紫微斗数の命盤
まず、沙也加様の欽天四化の命盤です。
特長的なのは、来因宮が福徳宮で廉貞Dが遷移宮にあります。
これで、福徳宮冲命宮。
2021年にKindleの電子書籍で出版した「欽天四化紫微斗数でみた魂をみる福徳宮とは・・・」の本の冒頭につぎのように書いています。
わたくしは長らく日本で四柱推命を学んできましたが、それに一旦見切りをつけて紫微斗数に夢中になった理由はいろいろあります。
そのひとつに、紫微斗数は「心の状態」を詳しくみていくことができる命術だからです。
一般的に、性質は表面的なものと内面的なものにわかれます。表面的なものとは周囲の人が感じることができるその人の個性ですが、それともうひとつ家族のようなとくに親しい人だけが感じることができる内面的な個性もあります。たとえば外に出て対人関係が良好な人でも家庭に入れば寡黙になり、家族からは疎まれるような人です。
さらに家族でもなかなか伺い知れないような深層意識に根差した隠れた性質というものもあります。これは多分にその人の好き嫌いや価値観などに反映されるものです。持って生まれた知能指数のIQもこれに入ると思います。
紫微斗数では、この三種類の性質をつぎのように定義しています。
命宮・・・表面的な性質をみる
疾厄宮・・・内面的な性質をみる
福徳宮・・・魂(心性)をみる
人間は三位一体でできているといわれます。上記の命宮で霊体を疾厄宮で肉体をそして福徳宮で魂をみるように思います。死ねば肉体は土にかえり(土葬や火葬)、霊体と魂が合体し、霊魂となってあの世に旅立ちます・・・
このように福徳宮は魂をみる宮です。
また、父母宮の父母宮で祖父母をみたり、神仏をみる宮でもあります。
進化占星術で「月」は過去世で体験したすべての記憶、つまり潜在意識をみる天体であるといわれますが、この福徳宮が進化占星術の「月」の作用をしているようにも思います。
その福徳宮が冲命宮というのは、言葉はよくないですが「霊魂不在」であるともいえます。
これは、魂がないという意味ではなく、しっかりした自分という自我がないという意味でお考えいただきたいと思います。
彼女の場合、福徳宮が来因宮なので遷移宮にもともと生年Dがあると、生涯、この福徳宮冲命宮の作用は大なり小なり出やすくなります。
それにより精神的な問題、過去世からの魂の問題が出やすいという暗示が読みとることができます。
そして、欽天四化のロジックでは、
●因は「生年A」
●果は「生年D」
といわれます。
要するに、彼女のこの福徳宮冲命宮で生じる心の問題や悩みや苦しみの原因は、生年Aの宮をみて子女宮の天同Aが原因とみることもできます。
子女宮ですからお子様のこととも解釈できますが、亡くなられたときの来因宮が大限奴僕宮。
これで、失礼なことをいうようですが、この10年の大運はひと言でいえば「桃花の問題」、つまり「異性縁の問題」で苦しむことが生じるということ。
これが欽天四化の因果の法則のひとつです。
また、命宮から遷移宮に向かう向心力Aは、この子女宮の天同A。
そして、遷移宮はもともと生年Dがあるので、向心力Aが入ると「A随D走」の法則でダブルのD、つまり双忌になります。
これで冲命宮のマイナス作用もとても強くなる。
これだけで異性のことでのトラブルや心の葛藤、苦しみをみることができます。
そして、このようなケースでは、生年Aが大運で廻る、子女宮が大命の34~43歳がもっとも注意の10年。
子女宮の天同Aですから、年下の男性の意味が強いです。
つぎは、週刊文春・電子版より引用したものです。
これをみると、年下の俳優の男性とお付き合いしていたものの何かトラブルがあったようです。
自殺された原因は、異性問題、お付き合いされていた方とのトラブルが少なくないように思います。
そして大運は、大奴(本福)冲本命、大疾(本官)冲本疾厄宮。
この10年は、異性によるトラブルで心身の健康を著しく損なうと断定できます。
しかし、同じような命盤の方が皆様、悩み苦しんで自殺に追い込まれる・・・というのではありませんのでご注意ください。
死を選ばなければならないというのは、ごく稀なケース。
つまり、沙也加様には失礼なことを申し上げますが、先ほど申し上げたように「しっかりした自分という自我がなかった(確立していなかった)」ということと、外的なさまざまな事象をじっくりと自分の感情として消化吸収し、心に落とし込むことができなかったということ。
これは、第1運(13歳まで)が、命宮の自化Bと冲命宮の作用を受け、大きな変化変動で精神的な苦しさを感じる10年。
この時期の廉貞Dは母親ともみれます。
つまり、母である松田聖子様は常に家にいなくて、自分(沙也加様)もよく外に出る(向心力A)ものの、淋しい幼少時を過ごすことがみれます。
また、第2運(14~23歳)は、後天運が左廻りで兄弟宮が大命ですが、暗に右廻りの第2運の父母宮もみます。
その宮は生年四化と自化もあり、やはり変化が激しい10年です。
つまり、生れてからとくに大切な思春期までの間、ずーっと落ち着いた環境ではなかった。常に外的なさまざまな事象の対応に精一杯ではなかったかと思います。
これで心の成長に問題が生じやすいということ。
自我の確立ができていなかったということが、もうひとつの自殺の原因かと思われます。
元来、飛星派の紫微斗数では辛宮に天梁があれば、天梁に自化忌をみます。
天梁は頭脳や中枢神経をみる星。
それが疾厄宮にあるということは、それだけで精神的な疾病も注意という象意もでます。
以上のことについては、進化占星術で彼女の出生図をみるととてもよくわかりますので、後章で詳しく説明させていただきます。
春馬様の欽天四化紫微斗数の命盤
つぎが春馬様の命盤です。
Kindleの電子書籍にも書いたことですが、この命盤の特長も生年Dが遷移宮にあり、来因宮が命宮なのでさらに遷移宮に向心力Dが入ります。
これはダブルのDとなり、冲命宮もダブルとなりはなはだ凶意の象です。
かつ、遷移宮の天同Dが自化AでD-Aの双忌。
春馬様は、これだけで対外的なことや周囲の環境に自分の心身の負担になるくらいものすごく気を遣うような人だと思います。
命宮は家族もみますので、こうなると家族縁にも薄くなります。
これは前章の沙也加様にもいえることで、どちらも両親は離婚されています。
命盤でみると第2運の父母宮が大運の14~23歳は、大命冲本命の同類相冲の大凶。
これでご両親様との縁の薄さはもとより、沙也加様と同じように、生れてから思春期までの間は心の発達に大切な時期なのに、家庭を中心とした周囲の環境がそれを許さなかったというように感じられます。
また、福徳宮には自化AとCがあり、それぞれ遷移宮とつながっています。
この串聯は非常によくありません。
つまり、遷移宮がとてもよくないので、そうした対外的なことや周囲の環境の変化が福徳宮にも影響し、大いに心を痛めることになってしまいます。
沙也加様の進化占星術の出生図
まず、出生図の12のハウスはつぎのように3分割でみることができます。
魂の成長ということでみると、1~4ハウスの第1フェーズは個人的な自我を確立させるところです。
1ハウスの牡羊座で生を受け、行動を起こし自分というものを出していく。
つぎの2ハウスで五感が発達し好き嫌いができて、そして評価して自分の価値をつくりスキル、リソースを発達させる。
3ハウスで情報を収集し、兄弟友人など身近な他者との関係で学習していく。
とくにこの1~3ハウスは第1クアドランドともいい、サバイバル領域のハウスです。
そして4ハウスで、家庭を中心にこれまでの体験をしっかりと感情として心に落とし込み、最終的に自我を確立する。
これを、まず頭においてつぎの沙也加様の出生図をご覧ください。
一瞥して、第1フェーズ(1~4ハウス)の自我をしっかりと確立するところに、トランスサタニアンの天王星、海王星、冥王星の3天体がすべて入っています。
これで、サバイバルして自我を確立していくのは容易ではない厳しさが感じられます。
とくに最終的にしっかりと自我を完成させる4ハウスに海王星があります。
4ハウスはもともと蟹座のハウスでとてもプライベートなところ。
そのハウスに境界線がなくさまざまな外の事象が入ってきます。
また、外の事象を取り入れるはたらきをする月が12ハウス。
12ハウスは、自分と他者は一体というワンネスの世界。
時間と空間のない世界にいるようなこの月は、とても敏感で繊細なことがわかります。
たとえば、日本から遠く離れたロシアがウクライナに進攻し、多くのウクライナの一般市民が虐殺されたりしています。
そうした報道をみて、我がことのように感じて自分の痛みとして受け入れてしまうような繊細さを持ち合わせた月です。
もともと、月は蟹座で4ハウスの領域。
ですから、この12ハウスの月と4ハウスの海王星は呼応して、とても抱えきれないさまざまな事象を受け入れてしまい、月が感情としてしっかりと心に消化吸収する作用がオーバーワークに。
ついには、月のはたらきがシャットダウンしてしまうこともあります。
現実逃避、引きこもりなど精神的な疾患に出たりします。
彼女の月のノード軸は、1ハウスにサウスノードと7ハウスにノースノード。
自分というものをしっかりと認識し、行動し、自分にないものを持っているパートナーとギブアンドテイクして、さらに今世は魂を成長させたいというのが今世の学びです。
しかし、その月のノード軸と4ハウスにある火星がスクエア。
ノードと火星がコンジャンクションやスクエアにあると、葛藤や怒りが生じやすいといわれます。
彼女の場合、4ハウスに火星があるので家庭問題やノースノードが7ハウスで牡羊座なので、パートナーとの関係で怒りや葛藤を感じるようなことがあったようにも思われます。
このことは、欽天四化の命盤でみても同様の象意が出ていました。
このような方は、魚座の反対の乙女座のエネルギーをうまく使うことです。
現実的な目の前の仕事や健康管理などのマネジメントをきちんと確実にこなしていくのが大事で、ACが乙女座であることからもこれが理解できます。
しかし、乙女座の支配星は水星で、これは彼女のMCの双子座の支配星でもありますが、それが2ハウスにあり金星とともにあるのでとても知性豊かな方と思いますが、同時に冥王星もあります。
自分のスキル、リソースをつくって、自己価値を高めるのに破壊と再生があるような苦しい体験をされたことと思います。
乙女座は6ハウスが支配領域。
そのハウスに魚座・木星があります。
この木星は、魚座なので12ハウスの月と4ハウスの海王星とも連動。
沙也加様は宗教的なことや、スピリチュアルなヨガや瞑想などを日々の生活に取り入れておかれたらよかったのでは思います。
最後に、わたくしが進化占星術の講座でお世話になっている大旗ハルミ先生はつぎのようにおっしゃっています。
●海王星・4ハウスの進化の意図
個人の親密な現実、個人的なものと、より大きな全体、非個人的なものとの間のバランスを確立すること。
●海王星・4ハウスの進化の目的
この世界の課題から逃げようとするのではなく、既存の感情的な課題の理由をよりよく理解し、進化の課題を受け入れることで潜在性疼痛に対処することを学ぶこと。
「潜在性疼痛」という言葉こそ、火星とノードのスクエアの葛藤、怒りではないかと思います。
春馬様の進化占星術の出生図
つぎが春馬様の出生図です。
彼の出生図で特長的なのは、まず、1ハウスに山羊座の天王星と海王星そして土星があります。
そして、1ハウスはもともと牡羊座です。
3ハウスの牡羊座の太陽と1ハウスのそれらの3天体がスクエア。
太陽は自我をつくる大切な役割を持っていますが、これがとても厳しい様相となっています。
かつ、もうひとつの自我の形成に大切な月が火星とオポジション。
その火星はサウスノードともオポジションです。
月とサウスノードは母親をみるところでもあり、これは沙也加様の出生図のところでも触れましたが、春馬様も葛藤や怒りの象意がみえ、それはお母様に起因していたようにも感じられます。
実際、両親は彼が幼少期に離婚されていましたが、母親は彼が中学生の頃、再婚されていたようです。
2ハウスにノースノード、8ハウスにサウスノードがあり、11ハウスの冥王星とTスクエアなのは、サインは違うもののわたくしの出生図とまったく一緒です。
ただ、春馬様の場合、火星が冥王星とスクエアにもなり、火星の葛藤や怒りのエネルギーがさらに強くなっていたのかも知れません。
自我の形成になくてはならない月と太陽ですが、また月は母親を太陽は父親もみます。
ご両親に恵まれず、それが春馬様の自我の確立に大きな障害となっていたことは出生図からも読み取れます。
大旗ハルミ先生はつぎのようにおっしゃっています。
●海王星・1ハウスの進化の意図
私たちの能力をより高い目的と正義に向けること。
●海王星・1ハウスの進化の目的
神聖な(宇宙の)原理(=海王星)に沿って行動していくこと。
わたくしなりに解釈すると、神理の教えを学んでそれを日々の生活にしっかりと具現化することだと思っています。
まとめ
沙也加様と春馬様の欽天四化紫微斗数の命盤では、どちらも命遷線で強い葛藤の象意が出ていました。
そして、自殺や自殺未遂をされるような方は、欽天四化では必ずといっていいほど福徳宮に問題があります。
沙也加様は福徳宮冲命宮、そして春馬様は遷移宮の凶の象意が福徳宮に串聯で及んでいました。
出生図では、お二方とも火星と月のノードがスクエアやコンジャンクション、またオポジションになり、これも葛藤や怒りの象意です。
また、心の問題をみると、沙也加様は12ハウスの月と4ハウスの海王星。
春馬様は月と太陽の自我を形成するもっとも大切な天体が、どちらもハードアスペクトで厳しい象意となっています。
わたくしが学んだ神理の教えでは、自殺をして輪廻転生し生れ変わっても、また死にたくなるような厳しい運命が待っているということです。
自殺は絶対にしてはならないことは、昔の人は「死んで花実が咲くものか」と戒めていました。
これは真実まことの教えでもあります。
しかし、死にたくなるような運命を背負って生れて来た方は、その人にしかわからない心の問題があるように思います。
海王星は宇宙の法則、普遍的な真理でもあり、その海王星が魂の進化の目的にとても大切なはたらきをしているというのが、わたくしがお世話になっている大旗ハルミ先生の進化占星術(大旗先生はコンシャスネスアストロロジー、意識進化占星学といわれる)の大きな特長でもあります。
どなた様でも、ご自身の出生図の海王星の声に素直に耳を傾けることにより、いかなる人も今世の魂の意図と目的は達成できると思っています。
2021年の12月よりサビアン占星術に興味を持ち、その後、西洋占星術の講座を受けましたが、いまは大旗ハルミ先生の進化占星術に夢中になっています。
欽天四化紫微斗数、そして今回は触れませんでしたが八字(台湾の四柱推命)の東洋の命術と併せて進化占星術を用いると、その人固有の魂の設計図を詳しく解読できるように思っています。
進化占星術のさらなる習得に努力していきたいと思っています。
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アメブロ「欽天四化紫微斗数と八字と進化占星学」
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