台中の陳永瑜老師との機縁

2013年5月8日、台湾の台中にお住まいの陳永瑜老師(以下、陳老師という)にはじめてお会いしました。(写真右)

陳老師との機縁は、この年の1月にマレーシアのクアラルンプール在住の鄭莉安老師(以下、鄭老師という)に飛星四化派の紫微斗数をご指導いただいたことからはじまりました。

鄭老師は、陳老師のお弟子様で陳老師のことを師父とも呼ばれ、とても尊敬されていました。それで、マレーシアより帰国後、すぐに陳老師の紫微斗数の書物を台湾より取り寄せました。その書物には、紫微斗数の三つの流派(星曜派、飛星四化派、欽天四化派)の内容が記載されていました。

なかでも注目したのは、欽天四化派の紫微斗数(以下、欽天四化紫微斗数という)です。

アルファベットのA、B、C、Dがやたら目につき、数学の公式のようなD-Dとか、AD組、BC組、A-A串聯、離心力、向心力、・・・等、日本で勉強した紫微斗数にはない用語のオンパレード。

「こんな紫微斗数のみかたがあったのか!」

と少なからず驚きを覚えました。

たまたまその書物に陳老師のご自宅のご住所と電話番号が記載されていましたので、陳老師に鑑定依頼のアポをとることができました。

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人と人とのご縁、一冊の本との出会い、それが大きく人生を変えることがあるのは知ってはいたものの、わたくしもそれが体験できるとは考えていませんでした。

陳老師に出会って、わたくしの人生は大きく変わりました。

それまで携わっていた会社経営の仕事を辞めて、占術の仕事を本業としていく決断ができたからです。

あとになって陳老師がおっしゃいました。

「田中さんが、今年(2013年)、私(陳老師)と出会うことは、すでに決まっていたことです。」

「あなたの命盤には、それが表れていますよ。」

といわれて、わたくしの巳宮の遷移宮、大限父母宮、流年命宮の天同A(Aは生年化禄のこと)を説明されました。つまり、海外で偉大な易経の老師に出会うのが、その年だったのです。

教育者で著名な森信三先生は、「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。」とおっしゃっています。

振り返れば、日本で習った四柱推命や紫微斗数に限界を感じていたときに、何とかそれを打破したいという心の底からの強い願望があったことも、このような恵まれたご縁を手にできたものと考えています。

陳老師と巡り合って、そして欽天四化紫微斗数をご指導いただけたことは、わたくしの望外の幸せであり、しかも偶然ではなく、すでに前世より定まっていたことを紫微斗数の命盤は明示していました。

この機縁を大切にし、はなはだ微力ではありますが欽天四化紫微斗数を正しく日本に普及させることが、わたくしの使命のひとつであるようにも感じています。

唐の時代、淵海子平の八字(四柱推命)が非常に流行り、遠からずそれが日本にもたらされ、以来、今日では日本の五術界は盛んなようです。

中華民国が建国された頃、台湾では紫微斗数の探求が徐々にはじまりましたが、このとき日本にもたらされた紫微斗数の資料は実に僅かでした。

紫微斗数の研究は、1980年代に盛んとなり、以来、今日に至る30年(注:2010年現在)の間にいろいろな名師を輩出し、百家争鳴、関連書籍も多数世に出ましたが、師に付かずに独学で習得するのは困難で成功できないと思います。

-陳永瑜 著「古今紫微斗数乾坤」より-

紫微斗数の命盤12宮の概念

紫微斗数では命盤12宮をつぎのように2分類します。

この2分類の概念はとても重要です。

では、この概念の根拠は何かということですか、下図をみてください。

命宮の三合である、命宮、財帛宮、官禄宮は100パーセント我宮です。

命宮と疾厄宮も100パーセント我宮であり、その疾厄宮の三合である疾厄宮、田宅宮、兄弟宮も我宮と考えてもいいのですが、問題は兄弟宮です。

兄弟宮は、まず、読んで字のごとく兄弟姉妹や友人知人のこと、そして自分との関係をみる宮です。ですから、兄弟宮は六内宮(我宮)ではなく、六外宮(他宮)に分類されます。
しかし、かなり六内宮(我宮)に近い宮であることはご理解いただけると思います。

では、福徳宮はどうして六内宮(我宮)なのか? ということですが、それは、つぎの河図(先天)に由来します。

1の命宮、6の疾厄宮、11の福徳宮は100パーセント自分の宮です。

人間は三位一体でできているといわれますが、わたくしは命宮は霊体、疾厄宮は肉体、福徳宮は魂ではないかと考えています。

福徳宮はしたがって自身の精神的なことをみる宮であり、この福徳宮が六内宮(我宮)であることには、どなた様も異論はないと思います。

・・・・・・・

さて、これを踏まえて大切なことはここからです。

欽天四化派の紫微斗数では、つぎのように男女の星が明確にわかれています。

(注)廉貞は丙年生まれの人は女星で、それ以外の生まれの人は男星

その男女星に生年四化が付いていれば、それが自分の星であったり配偶者の星であったりします。

その自分の星や配偶者の星が六内宮(我宮)にあるのと、六外宮(他宮)にあるのとでは大きく意味が異なってきます。

わかりやすくいえば、六内宮(我宮)に自分の星があれば、十分にその星を用いることができます。また配偶者の星が六内宮(我宮)にあれば、自分と配偶者との縁は厚いとみることができるからです。

但し、配偶者の星は六外宮(他宮)である夫妻宮にあるのは吉です。

たとえば、生年四化が付いた自分の星が奴僕宮や子女宮にあれば、第一義的にはそれは友人・知人・同僚や子供・部下などの自分以外の人をみることになります。

同様に、配偶者の星もそれらの宮にあれば、正式な夫や妻とはみれなかったり結婚しても夫婦関係が不安定になります。

欽天四化派の紫微斗数ではいかなる宮に生年四化が付いた星があるかが、命盤の良し悪し、引いては先天福分の厚薄が如実に表れることになります。

欽天四化派の兄弟宮と奴僕宮の特別な概念

上図の紫微斗数の命盤12宮の象意は、拙著「欽天四化紫微斗数の世界」に掲載したものです。

上図に記した各宮の象意は、紫微斗数の星曜派、飛星派でも同じようにみていきますが、欽天四化派でみた兄弟宮と奴僕宮は上図に書かれた象意以外に特別なものをみます。

それは、何か? といえば、

生死(寿命)を両宮でみるということです。

人の生死には奴僕宮が必ず何らかのかたちで絡むことになります。
そして、本当に寿命が尽きるかどうかは兄弟宮でみていくことになります。

もとより人間の生死については、軽々しく云々すべきでないことは当たり前のことですが、現実に大怪我や大病をしたり、あるいは何年も寝たきりの状態である方の死期をみるのは、許される場合もあるかと思います。

余談ですが、人間の寿命は、どなた様も生まれるときに、神様が「〇年〇月〇日までの命を与える」といわれて、この世に生を受けると神理でいわれています。

ですから寿命は決まっていて、どうすることもできないのです。

その昔、秦の始皇帝が徐福を日本に遣わし、不老長寿の薬草を求めて渡来したといわれていますが、どのような高貴な方であっても寿命だけは如何ともし難いものです。

それより大切なことは、「死に方」は変えることができます。

癌の末期で苦しんで亡くなるか、安らかに老衰で他界するかは、生きている間にどのような行いをしてきたかで決まります。

よい臨終を迎えるために努力を払っておく必要はあるように思います。
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欽天四化紫微斗数の的中率が高い理由・・・その5
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来因宮と生年四化で「因縁果報」をみる

欽天四化派の紫微斗数は、来因宮を重視します。

それは来因宮から生年四化(生年A、B、C、D)が出ているからです。
また、来因宮は、「前世未了之因縁」をみる宮であるといわれます。

それだけで、今世でなすべき課題も知ることができる場合があります。

簡単に12の宮の来因宮でどのようなことをみるのかご説明致します。

たとえば、つぎの来因宮が福徳宮の人(男命)は、生年A(破軍)が官禄宮に、生年B(巨門)が子女宮に、生年C(太陰)が疾厄宮に、そして生年D(貪狼)が財帛宮にある方です。

(注)来因宮はじめ生年ABCDの各宮に破格の象意はなし。

この方は、先祖の蔭徳のお陰、また神明のご加護もあって仕事が得られ、妻も子供も授かる有徳の人です。福徳宮は、祖蔭や神明をみる宮だからです。

このような人は総じて因縁がよい方で、結果、果報も恵まれたものとなり、今世は波風少なく幸多い人生を歩むことが約束されます。

また、つぎの命盤の方(女命)は、どのような方だと思いますか?

この女性はつぎのようにおっしゃっていました。

「わたしの夫は妻子があったのに、わたしに人目ぼれして強引に離婚し、わたしと一緒になってくれました・・・」

TVのドラマのなかでのお話かと一瞬耳を疑いましたが、現実にそのような方がおられることをお聞きし、少々驚いた経験があります。

さて、この方の来因宮をみてください。
残念ながら、左輔(男星)に生年Cで自化C、つまりC-Cで来因宮が破格しています。

来因宮は先ほど申し上げましたように、「前世の因縁」をみてもいい宮です。
その宮に男星の左輔があり、破格しているというのは、はなはだ婚姻には凶象です。

わたくしは、その女性のお話をお聞きし、「なるほど!」とひとり合点したことがあります。
おそらく、結婚した男性は前世でも配偶者であり、先に病気か事故でこの男性が他界。そのいまわの際に「来世、生まれ変わって、また夫婦になりたい!」という一念を残したものと推察します。

それは、来因宮の遷移宮と夫妻宮が共に自化Cで串聯(チャンレン)していることで読み取ることが可能です。

串聯は「共業」であり、カルマを共にするという意味で、この女性の場合では、結婚した夫は前世からの宿縁であることを肯定するものです。

どなた様であっても、臨終を迎えた最後のときの「一念」はとても大事です。
妻子があるのに一目ぼれして強引に離婚し、一緒になるというのは前世の記憶が甦ったとしか考えられません。

しかし、現実問題として、いくら前世で夫婦であり堅い約束をして亡くなったとしても、今世、すでに他の方と夫婦であり子供もいるなら、その夫、また父親としての責務を果たすのが当然です。

この男性は、大きな罪(悪因縁)を作ったことになります。
また、そのような男性と一緒になったというのは、この女性の今後のことも心配されます。

いかがでしょうか?

このように欽天四化派の紫微斗数は佛学である・・・というのは、前世の因縁もみていくことが可能であるということ。

そして、今世の果報は、生年A、B、C、Dの宮に如実に表れていることに少なからず納得したり、驚いたり、場合によっては慄然とすることがあります。

一枚の紙に書かれた命盤ですが、そこに記された内容は各人の前世のストーリーであり、かつ成績表でもあると思っています。
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欽天四化紫微斗数の的中率が高い理由・・・その4
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欽天四化派は生年化忌(D)が最重要の宮である

生年化忌(D)は、日本の紫微斗数では大凶星や大きな災いの星とされています。
もちろんそうした意味も化忌にはあります。
しかし、わたくしの師、台湾の陳老師は生年化忌にはつぎのような象意があると説明しておられます。

「不順、是非、領薪、獲得、悲観、囚」
※不順・・・上手くいかないこと
 是非・・・トラブル
 領薪・・・お勤め(サラリーマン)
 債・・・借金(この場合、前世からの課題のこと)
 囚・・・囚われる、執着すること

このなかで、とくに大切なことは“獲得”と“債”です。

まず、“獲得”ですが、欽天四化の重要なロジックのひとつである「A随D走(AはDに従う)」により、化忌は化禄まで獲得することができるということ。
つまり、たとえば生年化禄がいかに六内宮の財帛宮にあっても、生年化忌が六外宮の奴僕宮にあれば、その化禄の財は我がものにできないことになります。
財帛宮は財物だけをみる宮ではありません。
男女、夫婦関係もみる宮ですから、A随D走の理により婚姻人生にも生涯(浮気や離婚等)が考えられます。

そして、“債”ですが、これが前世からの課題であることが多いといえます。
来因宮と生年化忌の宮に着目し、それが今世になすべき人生の究極のテーマと考えてもいいでしょう。
たとえば、わたくしの場合は、来因宮が子女宮。そして生年化忌は田宅宮にあります。
子女宮は子供、部下、生徒などの意があります。田宅宮は、家庭、不動産、教室などの意をみます。

わたくしはいまの占術の教室の仕事の前は、倉庫業の経営者でした。
4代目の跡取りして、いわばその道を歩むのが既定路線のように思っていました。
倉庫の仕事はある面、不動産業でもあります。まさに子田線の仕事です。
そして多くの部下、従業員に恵まれ、そのお陰でたいして経営者としての能力もないのにわたくしが役員を務めた20数年の間、業績はずっと黒字を確保できました。

その後、経営の仕事は完全に実弟に譲り、わたくしはかねてよりの念願であった占術の仕事に没頭できるようになりました。
占術の仕事もこれまで多くの生徒様に恵まれ、元々好きな仕事ということもあり苦労も苦労と感じることはなく今日までやって来れました。
これは、下図のように子女宮が来因宮で、生年化禄が遷移宮にあるからと言えます。
こうなっていれば子女宮が化禄を遷移宮に飛ばし、そして命宮を冲照することになります。これは、ひと言でいえば、部下や従業員、またお弟子様や生徒様に恵まれる象意でもあります。

倉庫業を家業とする家の長男に生まれたのは、偶然ではありません。
そして、家業の仕事を完全に辞めて、占術の教授業を行うということも今世の人生のテーマとしてすでに前世から織り込み済みであったということです。

論語に「四十にして惑わず。五十にして天命を知る。」とありますが、わたくしの場合は、台湾の陳老師に出逢ことができた数え58歳にして、やっと迷うことはなくなり、そして翌年、欽天四化派の紫微斗数の伝授を賜り、これを日本に広めることを天命と思うに至りました。
少し、論語の年齢よりは遅かったですが、天命ともいうべき仕事と出会えたのは、ほんとうにラッキーであったと言えます。

どのような方も、できるだけ早く自分の今世の人生のテーマを自覚できたら、幸せな人生を歩むことができるように思っています。

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「化禄(A)は化忌(D)の召使」(YouTube動画)

命、使命、天命について教えてくれる素晴らしい動画
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